My Sweet Lover

「どうしてこんな日に限って会議が長引くんだよ……ったく。
 走る電車の窓を拳で軽く叩き呟いた。
 電車のドアが開くやいなや俺――深見 隼人――は他の乗客を押しのけてホームに飛び出した。そのままの勢いで階段を駆け下り改札を抜け、一目散にマンションを目指してひた走る。
 仕事で疲れた身体にかなり堪えるけれど、ゆっくりしているひまなんてない。
 今日は待ちに待った逢瀬の日。それも一ヶ月ぶりの……だ。
 俺は今日という日を指折り数えて待っていた。昨夜はあれこれと想像して一睡も出来ず、睡眠不足で望んだ今日の授業は散々だった(生徒よ許せ!)。定刻のチャイムが鳴ったらすぐに飛び出せるように準備万端整えていた俺を緊急の職員会議が引き止めてくれた。それが長いの長くないの……いや、この際そんなことはどうでもいい、終わってしまったことをグダグダ言っても時間の遅れは取り戻せない。兎にも角にも急いで帰らなければ……。

「おかえりなさい隼人! 会いたかったよぉ〜」
 鍵を差し込むタイミングを計ったようにドアが開き、転がるように胸に飛び込んできた小さい身体を思いっきり抱きしめ、まずは再会のアツ〜イキスだ。
 そっと唇を割って舌を忍び込ませると、拙い仕草で必死に応えてくれるのが可愛くて……そのまま両足をすくって抱き上げ、リビングに移る。
「んっ……あっ……」
 ソファーに下ろして甘い香りのする柔らかい唇を思うさまむさぼった後、俺は漸く唇を離し、ほんのりと紅く染まった顔を覗き込みコツンと額を合わせる。
「ただいま隆浩。待たせてゴメンな……その……」
「ううん平気……だって仕事忙しかったんでしょ?」
 俺の首に両腕をまわして小首を傾げる仕草が妙に色っぽい。
(一月会わないうちに、又、色っぽくなって……)
 俺はもう一度、その細い身体を抱きしめた。

 今、腕の中に居るのが最愛の人。名前を『篠田 隆浩』と言い3月の誕生日が来て12歳になる小学6年生のれっきとした男の子だ。
 俺が今、25だから年齢差13歳の恋人同士って訳だ。
 えっ、それって犯罪じゃないのかって?<
 まあね愛が存在しなければ『淫行罪』って事になるんだろうけど、幸いなことに俺達の間には密度の濃い『愛』が存在しているのだ。
 家庭教師としての最後の教え子が隆浩だったんだ。
 初めて会ったときの隆浩の印象はもう最悪中の最悪。それがどうしてこうなったのかってのは、後日詳しくってことで今日のところはかんべんな?
 まあ取りあえず色々あって、俺達は二人で密やかに愛を育んできたって訳なんだよ。社会人になって会う時間は減ったけど、今はこうして隆浩が泊りがけで訪ねてきてくれる。
 私立中学を目指す隆浩の勉強を見てやるってのがその口実―――まあ殆ど別の“勉強”になってしまうけれど、それは仕方の無いことだろう。だって俺達にとっては二人っきりで過ごせる甘い時間なのだから。

 満足の行くまで隆浩の匂いを堪能して俺は着替える為に立ち上がった。それに腹も減ったし……。
「隆浩……お前メシは――って、どうしてバスローブなんか着てるんだ?」
 今の今まで気がつかなかったってのも間抜けな話だけど、隆浩は真っ白いバスローブを着ていた。普段は一緒に風呂に入るのに今日に限って珍しい、とするとさっきの甘い香りは入浴剤の香りだったのか――なんてどうでもいい事を考えてしまった。
「どうした? 何かあったのか?」
 ネクタイを緩めながら聞いた途端、隆浩は真っ赤になって俯き「なんでもないよ……」と答える。
「なんでもない訳ないだろう? まさかその格好で来たとか言うんじゃないだろ?」見下ろして意地悪く聞けば「違うよ! 常識で考えても解るだろう……」って返事。
 全く大人に囲まれて育ってるもんだから言葉が達者だ。
「じゃあ、どうしてそんな格好してんだ?」
 重ねて聞いたら膝の上で拳を作って黙り込んでしまった。
「ふ〜ん、俺には言えないことなんだ?」
「そっ…そんなこと無いよ!」
「なら、言ってみな?」
「えっ……そ、それは……」
 他愛も無い押し問答を続けた俺はそっとため息を吐く。
 普段は素直なくせに一旦こうと決めたら強情なんだよコイツ……それを知りつつからかう俺も俺だと思うが、膨れっ面の隆浩が可愛くてついつい度を越してしまうのだ。けどいい加減で止めとくか、ここにきて臍を曲げられでもしたら大変だ。なんせ久しぶりに会ったんだ喧嘩するなんて悲しすぎる……。
(しっかし、どうしたもんかね――――ムリに聞き出したいわけじゃないけどさ、気になるっちゃ気になるんだよなぁ……)
とクローゼットの前で着替える振りで隆浩を伺うと、腿の間に両腕を挟んでもじもじしている。
(ははぁん、成る程ね……言いたくても言えない、きっかけが欲しいってそういうことか―――)
 強情とは言っても所詮は小学生だよな。やっぱ可愛いわ―――。
(それじゃきっかけを作ってやろうかね?)
スエットの上下に着替えた俺は、手早く飲み物を用意してリビングに戻ると隆浩の隣に腰を下ろした。
「ん? どうしても言うの嫌か?」
 ほっそりした肩を抱き寄せて耳元で囁くように聞いてやると、甘えるように胸に頬を摺り寄せてかぶりをふった。
「……笑わない?」
「えっ?」
「着替えた理由――話してもいいけど……隼人笑わない?」
 トレーナーの袖を必死に掴んで俺を見つめる隆浩に「笑わないよ」と頷いてやった。
「あの……あのね……そのぉ……」
 決心した割には歯切れが悪い隆浩を俺は水割りを舐めながら辛抱強く待ってやる。
「隼人の帰りが遅くて、テレビ見てるうちに眠くなってきてさ……それで――」
 つまり隆浩の話を要約するとこうだった。
 ソファーで転寝をすると俺に叱られるから寝室に行った。ベッドに横になった隆浩の目の前に俺のパジャマがあって――それに付いてた俺の残り香に欲情してしまい、あっと思ったときには後の祭りで……早い話、イッちゃったらしいのだ。
 なんとまぁいじらしいじゃないか。
「今日に限ってパジャマ忘れて……ごっ、ゴメンなさい」
 今にも泣き出しそうな表情の隆浩の頭をゴシゴシと撫でてやる。
「謝ることなんかないよ。俺を感じてくれたんだろう。嬉しいよ俺は……」
 正直、隆浩を愛しいと思った俺は隆浩の顎に手をかけて仰向かせると静かに唇を近づけようとした。その胸に隆浩は腕を突っ張って身体を引き剥がし「それとっ……ね」と勢い込んで言った。
「まだ、なにかあるのか? まさか俺をじらそうとか思ってるんじゃないだろうな」
 軽く睨むと、またもや顔が真っ赤になっている。
(今日は一体、どうしたって言うんだ? そんな顔……これまで見たこと無い。もう凶悪に可愛い……下半身直撃だぞ隆浩)
 俺の心の中を知ってか知らずか隆浩は俺の耳朶を引っ張ってこっそりと耳打ちした。


「……ねぇ、恥ずかしいから裾下ろしてもいい?」
「ダーメダ。もうちょっと良く見せて……」
 俺は目の前に晒されているものをシゲシゲと見つめた。
(しっかし、よく入ったよなぁ……)
 隆浩は同じ年頃の子供と比べると幾分小柄で華奢なつくりをしている。それでも―――だ。
「……ねぇってば、隼人ォ〜」
 隆浩は膝を合わせて前屈みになって俺の目を反らそうとするかのように甘えた声を出した。
「だからダメだって言ってるだろ? ホラ手どけて、もっとよく見せてみろよ」
「やだよぉ〜隼人、ヘンタイ入ってる!」
 おお、なんとでも言ってくれよ。こんなの拝みたくても中々拝める代物じゃないぜ。
 俺の目の前でバスローブの裾を広げて立っている隆浩はなんと、パンツタイプの紙おむつを穿いているのだった。
 下着を汚してしまった隆浩は、着替えを一組しか持っていないこともあって箪笥を物色したらしい。けど当然のこと俺の下着しか入ってないわけで―――とにかく、押入れやクローゼットを必死になってパンツの代わりになるものを探したらしいのだ。
で、見つけたのが姉貴が置いていった姪っ子の紙おむつだったのだ。
 いくらなんでも……とは思ったようだが「何も穿かないよりはましかなぁって……」と隆浩は言った。
 この際そんなことはどっちでもいい、いいんだ……それより。
 俺の視線は一点に集中していた。
(窮屈そうだぞ、この辺り……)
 何処がって、そんなこと決まってるだろ?
 パンパンに張り詰めたオムツの中央部分――――だよ。
 俺は腕を伸ばしてそっと指を這わせてみた。
「あん……やめてよぉ」
 案の定、隆浩は腰を捩ってしゃがみこんでしまった。
 やっぱりな……単にキツイだけじゃなかったんだ。俺にみられているうちに感じ始めたってとこだな。
 なんせ俺の香りだけでイッちゃうぐらいだから………。
「どうした隆浩、ホラ、立って……」
 一瞬、恨めしそうな目を向けて隆浩はしぶしぶ立ち上がった。
「なあ、どうする?」俺は水割りを飲みながら聞いた。
「どうするって?」股間を手で押さえたまま隆浩が首を傾げる。
「そのままでいいのか?」
 膝を合わせてもじもじするだけで隆浩は答えない。さっきの様子からすると隆浩にとっちゃかなりツライ筈なんだけどなぁ。
情けない話、俺だって辛いのだ。何時もと違う隆浩の姿にスエットの中は早くも臨戦態勢になりつつある……そう、今までなら既に押し倒してる―――。なのに今日は「どうして欲しいのか」を隆浩の口から言わせたい……って気分だ。
 こんな気持ちははじめてなのだが……きっと“紙おむつ”ってアイテムのせいだろう…多分。
「……そのままでいいんなら、俺は飯でも食ってくるかな?」
 さっさと言い捨てて立ち上がり背を向けた俺を「待ってよ……」と隆浩が引き止める。
「ん?」と振り向いた瞬間、マジで鼻血吹きそうになった。
 バスローブを脱ぎ落とした隆浩が一生懸命オムツを脱ごうと腰をくねらせていた。
「………たかひろ……」
「隼人ォ〜上手く脱げない……ねぇ、お願い脱がせてよぉ……」
 泣きそうな声で隆浩が縋るような目を向けて訴えてくる。
 可愛い声でお願いされて無視できる奴が居るのならお目にかかりたいもんだ。
 俺は隆浩の前にしゃがみこみゴクリと唾を飲み込んだ。
(なんだかヘンなおじさんになった気分だ……)
 左側の縫い目に左手を添え、右手をそろりと下ろしていく。
「……なに、してるの?」
「ああ、紙おむつってのは、ココが破れるようになってるんだよ」
 そう姪の下の世話をイヤと言うほどやらされたから紙おむつの構造は知り尽くしている。
「なぁんだそうだったの……なら僕――――あん!」
 自分でやるからと出した隆浩の手を俺は邪険に払いのけた。
「いい俺がやってやる。だって脱がせて――欲しいんだろ?」
 言い方が妙にいやらしくなってしまった。心臓はバクバク脈打ってるし……相当興奮してるよ俺……。
 左側の縫い目を全部はがしてもソレはまだ見えてこない。俺は続いて右側に手をかけ―――静かに引き下げる。
 半分ほど破いたところでプルン……とピンク色をした隆浩の分身が先っぽを覗かせた。
 まだ大人になりきれない未熟な隆浩はそれでも先端から透明な雫を零しはじめていた。
 縫い目を全部はがさずに隆浩自身を引っ張り出した俺は迷わずに唇を寄せた。誘うようにフワリと甘い香りをさせる錯覚に今度は舌でチロチロと舐めてみる。
「……やぁ……隼人ォ……」
「辛いんなら俺の肩につかまってろ」
 ガクンと砕けそうになった隆浩の腰を左手でしっかりと引き寄せ、早口でそういうと俺は再びキスをして口中に取り込んだ。
 口と舌を使って丹念に隆浩を愛撫しながら空いた右手でその中に収まってしまう小さな双玉をいじってやる。
「あっ…んっ……いやぁ―――隼人、離して…出ちゃう……」
 肩に置かれた隆浩の細い指が凄い力で食い込んでくる。両膝もブルブルと震えている。
「我慢できないのか?」と聞けば、ガクガクと首を上下に振る。我慢強い隆浩にしては珍しいこともあるもんだと思いながら「……イッてもいいぞ……」と声をかけてやると「ちっ……違うの…」と言う返事が返ってきた。
(違うって何がだ―――)
 隆浩の返事を無視して俺は一心不乱に舐め、吸い上げつづけた。双玉を弄んでいた右手をその後ろの窄まりに滑らせ軽く指の腹でなで上げると、新しい刺激に口の中の隆浩が一瞬大きく膨らんだ――――その途端。
「ダメェ――――――」
 と叫ぶような声を上げて隆浩は俺を突き放し、背中を丸めて蹲った。
 思いのほか強い力で突き飛ばされて情けなくも尻餅を付いた俺は、訳がわからず目の前で泣きじゃくる隆浩を呆然と見詰める。
「……どうした? 何で泣いてる?」
「―――」
 聞いても隆浩はしゃがんだまま首を振りつづけるばかりで。
(そんな……泣くほどのことかよ?)
俺は立ち上がって泣き続ける隆浩を覗き込んだ。
「どうした? 六年生にもなって泣くなんておかしいぞ。何時ものことだろう? ん?」
 思わず教師の顔になって頭を撫でた俺にすがり付いてきた小さく震える背中を「ほら落ち着いて……」とあやすように叩いてやると、小さな声が返る。
「……だって、だって……違うのがでちゃったんだもん」
「はぁ?」
「おっ、おしっこしちゃったぁ〜」
 俺はガックリと肩を落とす。
 快感が強すぎておもらししたって言うのか―――。
「あーそのなんだ、まあ仕方ないんじゃないか? それに何処も汚れてないし……」
上手い具合に膝の辺りで引っかかったままのオムツが漏らした全てを吸い取ってくれていた。
座り込んでしゃくりあげる隆浩の頭をポンポンと叩く。
「ほら泣き止んで、ちょっと立ってみろ、そのままじゃ気持ち悪いだろ?」
 コクンと頷いて浮かせた腰の下から、水分を含んでずっしりと重くなったオムツを引きぬいた。
「思わぬところで怪我の功名ってヤツだな……」とニヤリと笑ってやると漸く隆浩は泣き止んだ。
「……さてっと」
 手早くオムツを処理した俺はソファーに隆浩を座らせた。
「な……なに?」
「何って続きだよ……」
「続き?」
 朝の生理的なモノじゃないから、おしっこを出したところでそれは治まるハズはなく。隆浩のモノもさっきよりは力をなくしてはいるものの首はもたげたままで……。
「……そうだよ。だって隆浩のココは満足してないだろ?」
 不思議そうな顔で見上げる隆浩の股間を指で軽く撫で上げると、頬を真っ赤にして膝を閉じようとする。
「おっと! 隠してもダメだ」
 言いながら俺は両足の間に身体を滑り込ませ、華奢な肩を押さえ込んだ。
「……離してよ隼人。痛いって……それに……あんっ」
「それに何だ?」
 言葉ほど抵抗しない隆浩の口元に音を立ててキスをすると身体を屈め舌先で胸の飾りをペロンと舐める。ピクンと魚のように隆浩の身体が跳ねる。
「んっ! そっ…それに汚い……って……おっ、お……」
「おしっこしたから?」
「……判ってるのに……そんなことする隼人って嫌いだ……」
「おや、それは困ったな。けどさ、俺は全然汚いなんて思わないんだよなぁ」
「――――どうして?」
「どうしてって……そりゃ、隆浩のこと“愛してる”からな」
「愛してると汚くないの?」
「そうだよ。愛する人のものならなんだって平気だな。それとも何か、隆浩は俺のココは汚いと思うのか?」
 聞きながら既に態勢を整えはじめてる俺自身を隆浩の腹にこすり付けた。
「ううん、そんな事無いよ……隼人のなら平気……」
「だろ? だったらいい加減静かにして俺に全てを任せなさい。もっとずっと気持ちよくしてやるから……それにさ俺のほうが待てそうにないんだよ、だから……な?」
 ちょっと切羽詰った声で囁くと隆浩はコクリと頷いてそっと首に腕を巻きつけてきた。
「よろしい……」


「あっ……はぁ…んっ! は、隼人……やめてぇ……」
 隆浩があえかな声を上げて俺の肩を押さえつけ逃げをうとうと身を捩る、けれど俺はそれを許さない。しっかりと腰を抱え込み更に激しく舐め上げる。しっとりと汗ばんでほんのりとピンクに染まっているキメの細かい肌は、ゾッとするほどなまめかしく、今まで付き合ってきたどの男達よりも俺を魅了してくれる。
「あっ、ああ……んっ!」
 限界まで膨らんだソレの先端から溢れるようにこぼれる甘い蜜は最高の美酒で俺はそれに酔いしれる。
 限界が近いのか隆浩の口からはひっきりなしに喘ぐ声が漏れている。
 射精はかなり体力を消耗するから出来ることなら我慢するほうがいい。けど今日は見るからに辛そうだ。
(仕方ないな一度、イかせてやろうか――――)
 唇と舌を使って先を覆っているベールをひき下ろすと、ツルンとした先っぽが顔を見せる。艶々と真珠色に光る先端に軽く歯を立ててやると。
「ひっ! ………あっあっ、んっ! あぁぁぁぁ――――」
 小さく息を呑む声が聞こえ、次の瞬間、隆浩は四肢を突っ張らせ俺の口の中に吐精した。
 余すところ無く蜜を飲み干した俺は伸び上がり、汗で張り付いた髪の毛をかきあげ、額に口付けた。
 荒く肩で息をしている身体を抱き寄せ首筋にキスを落とす。
(ああ、汗の匂いすら愛しい―――)
「うんっ……くすぐったぁーい……」
 甘えるような声で言いながら隆浩は俺自身に手を伸ばしてきた。
 驚いて顔を上げると
「ねえ隼人、交代しよ? 今度は僕がしてあげる……」
 と極上の微笑を見せた。
 願っても無い申し出に俺はいそいそとスエットを脱ぎソファーに腰掛ける。
 軽く広げた足の間に隆浩は膝まづき、大切なものを扱うように俺自身を手に取った。暫くウットリとソレを眺めた後、おもむろに口に含んだ。覚えたばかりの行為に隆浩は没頭していく。
 しっとりと隆浩の舌が絡みつく。舌の動きは稚拙でぎこちない。でもそのぎこちなさが又―――いい……。それにサイズに合わない苦しさからだろう、軽く眉をひそめた苦しげな表情がこれまたいい。うっかり見惚れてると暴走しかねない。
「隆浩……おいで……」
 ソファーの背を倒しベッドに変えると寝転がって俺は隆浩を引っ張り上げた。隆浩はオレを咥えたままで大人しくそれに従った。
 目の前に晒されたヒクつくように収縮を繰り返す窄まりを舌と指で慣らしていく。本当ならもう少し時間をかけたほうがいいのだろうけど、そうも言って入られない。隆浩のフェラに俺にもそろそろ限界が近づきつつあったから。隆浩の先端から溢れた蜜をすくって入り口を擦ると、そこは緩く開閉して俺の指先を飲み込んでいく。
「あんっ……んっくっ……あふぅ…んっ」
 一本がすんなり入ってくれれば後はこっちのもんだとばかりに俺は指を2本、3本と立て続けに入れ、すこし開いて中をかき回す。的確にポイントをついてやると隆浩の腰が揺れ始めた。
(そろそろいいか……)
 身を起こしバックから入れようとした俺を隆浩が振り返った。
「後からはイヤ……隼人の顔が見えないから……」
 瞳を潤ませてそんなことを言われても…困る。困るけど隆浩の言いたいことも判る。だから―――「なら何時もの通りな? それならいいか?」と聞いてやった。それにも隆浩はフルフルと首を振り、向かい合うように俺の身体に跨った。
「隆浩――――?」
「……こっちのほうがいい、今日はこれでしよ?」と言うなりオレに手を添えて腰を下ろし始めた。
(いやその…しよ? はいいんだけど……嬉しいんだけど……)
「ね、隼人……身体支えて………」
 苦痛に顔をしかめながら静かにオレを飲み込んでいく隆浩の身体をしっかりと支えてやりながら、少しでも苦痛を和らげてやろうと俺は口付けを繰り返した。
「……んっ! ハァ〜」
 全てを中に納めてクタリと俺に寄りかかり隆浩は荒く息をついた。俺はあやすように身体をゆすりながら静かに馴染むのを待った。暫くして呼吸が落ち着いてきたらしい隆浩に「(動いても)大丈夫か?」と吐息で聞けば「いいよ……」と返事代わりにキスをくれた。

「……あっ、ん…っ……いやぁ……」
「……イヤ…じゃなくて……イイ…だろ?」
 腕の中にすっぽりと収まってしまう隆浩の身体をきつく抱きしめ、ソファーのスプリングを利用して俺は腰を突き上げる。反対に隆浩は焦れるように腰を押し付けてくる。押し付けられた隆浩の高ぶりが熱い……。
 不自由な体勢で思うように動けないもどかしさが、尚一層、俺達の快感を煽ってくれる。
「…熱い…隼人ォ…………熱いよぉ……も……ダメ――」
 首筋に顔を埋め全力でしがみついた隆浩が、もうどうしていいかわからないと言いたげに激しく頭を振りながら、今にもはちきれそうなペニスを腹に擦りつけた。
 無意識なんだろうその仕草に隆浩の中のオレが反応する。それに呼応するように隆浩の中が激しく収縮を繰り返す。
「……そんなに締め付けるなよっ……イッちまう……じゃないか―――」
 言ってはみたが、そんな余裕は俺にも無かった。
(一緒にイきたい……)
(一緒にイこうか……)
 どちらともなく顔を見合わせキスをした。それが合図だった。
 体勢を入れ替え隆浩をソファーに押し倒すと俺は夢中で突き上げた。
「んっ……ああ―――っ」
「……うっ!」
 
「シャワーを浴びて、メシ食おう……か?」
「うん……」
名残を惜しみながらそっと身体を離し、グッタリとした隆浩を抱き上げた俺は甘えるようにしな垂れかかったその頬にキスをした。
                                                                              (おしまい)